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ブルーポイント F様 フルカウルKSR110用外装 クリヤのお話。

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毎度お世話になります。
ブルーポイント様より、フルカウルKSR110用外装のペイントのご依頼承りました。
カラーリングイメージは昨今ブルーポイント様で流行(?)しているDUCATIイメージ。
このF様カウルはGP10イメージです。



仕上げはレース仕上げです。レース仕上げとはいえ、趣味性の高いKSR110ですので、普通仕上げとも言うべきかも知れません。文字・ラインは全て塗り仕上げです。が、塗装の段差は角が取れた程度の仕上げです。

実は、これまで個別にご説明をさせては頂いていましたが、私は塗装にとってはこれ位の仕上げがベストだと考えています。

と申しますのも「塗装の段差を滑らかにする・無くす」方法は主にクリヤの重ね塗りと研磨作業の繰り返しですが、通常市販されているクリヤは厚塗り(重ね塗り含む)を想定せず、塗料設計的には適切膜圧外での作業となります。故にトラブルも誘発します。その辺りは殆どのカスタムペインターは承知されていますが、お客様へのご説明はどうかというと、所謂「負」の面ですので、もしかするとお話されている方は少ないかも知れません。ですが、その辺りは私も世の同業者の皆様もトラブルを未然に防ぐよう、それぞれ工夫を凝らしておられるかと思います。塗料メーカー選びや異なる硬化剤比率の塗料のテスト、熱を加えて硬化促進(よく焼き付けと勘違いされますが、本来の焼き付けとは異なります。あくまでも硬化促進です)時のタイミング等。
私の使用クリヤは様々な面を考慮して3:1(クリヤ3に対し硬化剤1)の比率の塗料を中吹きから仕上げまで全て使用しています。(3:1も各種あります。製品によりキャラクターは大きく異なります。レース用ではコスト・作業面(柔らかいので磨きが容易)から10:1若しくは8:1を使用するケースも御座います。)
理由は一概には申し上げ難いですが、硬化剤比率が高いと(スタンダード品は10:1)熱を加えた際、硬化が(いわゆる芯締まり)早く、通常作業ペースでの重ね塗りの際の硬化不良によるトラブルを未然に防止出来ると考えての事です。(熱源の話も必要なのですが、今回は省かせて頂きます。)
硬化剤比率は、私の知る限り、10:1 8:1 5:1 4:1 3:1 2:1とあり、一概には言えませんが硬化剤比率が高い程、高価で高品質という傾向が有ります。(それぞれの比率のクリヤの中に更に様々な種類があります。)
塗料は化学製品ですので、同じ硬化剤比率でも新しい塗料ほど高性能な傾向がありますが、昨今の環境問題からくるエコ(エゴ)の影響で、そうとは限らない製品も見受けられます。色々な意味でメーカーも難しい所だと察します。

ですので、段差無し・滑らか仕上げは非常に美しいですが、美しい反面トゲも有りますのでその辺りにご注意です。

私的には、それは「より上を得る為に捨てなければいけないモノ」だと理解して頂くしか無いかと考えています。
それは、カスタム全般に通じるかと思うのですが、エンジンチューニングでしたらモアパワーと引き換えに失うもの。部品やオイル管理の頻度等、、、。車体も然りだと考えます。その延長線上でペイントも考えて頂ければと思います。ですので、鏡面・滑らか仕上げは実は「腹を括れる上級者向け」だと考えています。


具体的なトラブルのお話は、まだまだ長くなりますので
実際にご依頼承った際にご説明させて頂きます。
何卒悪しからずご了承の程宜しくお願い致します。


とは言え、そのトラブルは大半の皆様には問題にならない程度です。

ええ。
私、大袈裟なんです(笑)

とはいえ、鏡面仕上げは小さな傷も目立ちやすく、雑な手入れではすぐにくすんで見えますので、
しっかり手入れの出来る上級者向けなのは本当です。

閑話休題。



オーナーF様始め皆様が週末のレースもご活躍されますよう願っております。
毎度のご依頼
誠に有難う御座います。
by os_design | 2010-04-10 00:15 | ペイントについて

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